こんにちは、PairsチームデザイナーのMです。今回は私から「沢山のお客様にPairsを安心して使っていただくため、Pairsのデザイナーがどのようなことを考えてデザインしているか」についてお話させていただきます。
ネガティブイメージの強いサービス
突然ですが「オンライン上で恋人や結婚相手と出会う」ということに対して、皆様はどのような印象をお持ちでしょうか。
・「出会い系」でしょ?
・オンラインで出会うなんて、人に言うのが恥ずかしい
・なんとなく怖い、信用できない
など、ネガティブなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。 これはすべてガラケー時代の「出会い系サービス」のネガティブなイメージに起因していると思います。
では、海外ではどうか
オンライン上でのマッチングサービスは「オンラインデーティング(Online Dating)」という市場カテゴリになります。
中でも一番ユーザーの多いアメリカでは、今では3,500を超えるサービスが展開され、市場規模は20億ドル(約2,000億円)と言われています。 また、結婚するカップルの35%以上がオンラインデーティングのサービスでパートナーと出逢っており、「オンラインデーティングで出逢って結婚したカップルは離婚率が低い」という調査結果も出ています。
「オンラインデーティング」は恋人やパートナーを探す1つの方法として、今や当たり前になっています。
私のカナダ留学時代(4年前)のクラスメイトもオンラインデーティングで今の旦那さまと結婚していました。彼女はバツイチで子持ち。恋愛経験豊富な彼女と、所謂「恋バナ」で盛り上がったときのこと、
「普通に恋人探しなんて、めんどくさくてやってられないわ。時間がもったいないの。だって、クリックネクスト・クリックネクストで全部その人が分かるのよ。ルックスもどんな仕事をしていて、どんな趣味があるのかも事前に分かるんだからスーパーイージーだし、うまくいくの。みんな当たり前にやってるんだから、あんたも早くやりなさい!」
「実際、私は子どももいて、バツイチ。それでも受け入れてくれる前提で、相手を探したい自分にはぴったりなの。今はとってもハッピーよ。」
と彼女は言っていました。 「なるほど……そうなんだ……よく分からん世界だな。」と、当時何も知らない私は思っていました(本音です)。
日本の現状と課題
そんな欧米の状況に比べると、日本のオンラインデーティング市場はまだまだ発展途上です。
以前は、私がPairsを友人に紹介しても、一番はじめに返ってくる言葉は「出会い系でしょ?」でした。 (今では安心なサービスだという認知が大きくなったので「ああ、Facebookのあれね!」と言っていただけるようになりましたが) 既に少し触れた様に、日本にはガラケー時代に独自に発達した「出会い系」というサービスがあります。 それらのサービスは運営が不透明なものが多く、また、起こったトラブルがテレビなどでセンセーショナルに報道されたこともあり、その影響から「ネットで出会う=危険・怖い」というイメージが今でも根強く残っています。 ネガティブなイメージは、サービスを利用することを躊躇させます。
「出会い系」というネガティブなイメージを払拭し、安心して使っていただけるようにならなければ。 Pairsが解決すべき課題はそこでした。
「出会い系」のイメージを払拭するデザイン
「出会い系」は怖くて危険。そのイメージを払拭するために、安心・安全だということを伝えなければなりません。
例えば、Pairsには「Facebookユーザーであることが必須」「公的機関が発行した身分証明書提出等による年齢確認が必須」「24時間365日の投稿監視」「きめ細やかなカスタマーサポート」など、お客様の安心・安全のためにさまざまな体制があります。
それらを的確に伝えるのはもちろんですが、デザインの力でネガティブイメージを払拭するためには「サービス全体の雰囲気」も重要です。 私たちは沢山のサービスを見て、実際に使い、何がお客様の立場として「安心」を与えてくれるものなのかを研究し、それをもとにデザインを行っています。
カラー選択
色はサービス全体の印象を決めます。 Pairsはティファニーブルーをブランドカラーとしています。
理由は大きく下の3つです。
・結婚を連想させる
・ピンクほど甘くなくクリーンなティファニーブルーはマイナスイメージが無い
・柔らかい色による安心感
初期のPairsはグリーンを使用していましたが、早い段階でリニューアルを実施し、ティファニーブルーを採用しました。
人柄が伝わるデザイン
今までの「出会い系」と言われるサイトは、ガラケー時代から、お相手を探すページ内に顔が沢山並んでいるだけでした。 以前は「サービスに慣れていない人でも迷わず使えるUI」という理由から、Pairsもそのデザインを採用していました。ですが、顔ばかり(顔のみ)が並んでいるビューでは、顔の好みで判断することしかできませんでした。
そこで、この夏のデザインリニューアルからは、「つぶやき」を写真下に表示し、顔のビジュアルだけではなく、その人の「人柄」がきちんと伝わる設計にしました。また、お客様ひとりひとりにフォーカスできるよう、3列表示から2列表示にすることで写真のサイズも大きくしています。
また、グリッド表示のプロフィールアイコンを丸型に変更。海外SNSサービスのトレンドも取り入れています(例:Instagram、Vine)。サービス自体の認知度が上がってきたこともあり、今後さらに成長していくことを考え「新しい安心できるサービスである」ということをデザイン面からも打ち出すようにしています。
「意味が分からない」は怖く、ストレス
Pairsのデザインにおいて何よりも重要なことは、「意味が分かる」ということです。「意味が分からない」は恐怖であり、お客様にとってストレスとなります。
いかに情報を伝えやすくするか、ボタンを押したら何が起こるのか、この機能はどういうときに使うのか、少しでもお客様の「?」を無くす。自分たちがPairsを使い倒し、お客様の声を細かく拾い上げ、「説明不足なところはないか」「分かりにくい表現を使っている箇所はないか」を見返し、改善することに多くの時間を使っています。この夏のリニューアルではお客様の行動を分析し、情報設計を一から組み直して、メニューの配置や構成を大幅に変更しています。
Pairsチームの中では「意味がわからない」は悪です。
意味の分からないものは、決して信用されません。社内で使って、少しでも違和感を感じたら即指摘し合い改善しています。デザイナー、ディレクター、エンジニア、職種は関係なく、お客様にとって「意味が分からない」ところは無いか、分かりにくくないかを常に意識して開発をしています。
サービスをデザインする
私たちが意識しているのは、表面上の美しさ・可愛さ・かっこよさだけを考えて「デザインをデザインする」のではなく、お客様の行動を読み、適切なソリューションを提供できる「サービスをデザインする」こと。
お客様の声をサービスに反映させるために強化していることのひとつとして、お客様と直接つながるカスタマーサポートとの連携があります。また、最近ではアンケートを取るなど、お客様のどんな小さな声も拾い上げ、共有し、改善というサイクルを光の早さで行えるよう、体制を整えています。(※ こういった体制については、また別の機会にご紹介したいと思います。) サービスをデザインする。デザイナーがその意識でいなければ、良いサービス(デザイン)は作れない、文化をつくるほどのサービスは作れないというのが私たちの考えです。
私たちが目指すのは、「文化をつくる」こと。
先に少し触れましたが、今、Pairsチーム全体でかかげているのは、「文化をつくる」ことです。 「友人の紹介」や「合コン」などに並んで、恋愛のきっかけのひとつとして「Pairs」が当たり前の(自然な)選択肢として根付くようにしたいと本気で考えています。
婚姻率の低下、少子化
日本では、晩婚化、婚姻率の低下、それによる少子化が深刻な社会問題となっています。ましてや、恋愛すら「面倒くさい」と言う若者も増えているようです。約50年後には、現在の総人口は4千万人減少して、8,700万人になるという予想もあり、2050年には3人に1人が65歳以上になることが推計されています。高齢化が進む日本。誰が高齢者を支えるのか、高齢者福祉のあり方も大きな課題となっています。 出典:厚生労働省ホームページ (http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai12/dl/gaikyou24.pdf) また、結婚率の減少のひとつとして、「お見合いの減少」もひとつの理由とされています。1940年代に70%を占めていた「見合い婚」は2010年の調査ではわずか5.3%まで減少しているそうです。(参考:国立社会保障・人口問題研究所 2010年出生動向基本調査) お見合いで多くの人が結婚していた時代と比べ、「自由な恋愛」ができる今。恋愛の文化は、確実に時代に合わせて変わってきています。 そういった中で、日本の恋愛や結婚に少しでもPairsが貢献できるはず。「文化をつくる」と言えば大げさに聞こえるかもしれませんが、はじめに触れたように、アメリカでは3人に1人がオンラインデーティングで出会い、結婚をしています。 日本でもその文化は作れるはずです。
Pairsで交際・結婚に発展したお客様
最近では幸せレポートページにて、Pairsを通じて交際や結婚されたお客様に許可をいただきご紹介させていただいております。中には結婚され、お子さんを授かったお客様もいらっしゃいます。こういった実体験の声こそ、何よりも今の文化を変える大きな力を持っていると確信しています。 沢山の幸せがこの日本にもっと増えるよう、そのための恋愛・婚活文化の一部になれるよう、Pairsチーム一同より一層の努力をしてまいります。 今後ともPairsをどうぞよろしくお願いいたします。
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